変装

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1988年出版。パット・ムーア著、木村治美訳
10年ほど前に古書店で見つけて読んだ本です。
ニューヨークに住むプロの有能な工業デザイナーでもあるパット・ムーアはさまざまな機能的なデザインが老人のためには全く考えられていないと痛感し、老人達のライフスタイルに興味を持つ。1980年、僅か26歳の彼女は、友人であるプロの特殊メークアップ・アーティストの手を借り85歳の老人になりきり3年もの間、老人達の中に入り込んで、老人達が感じている弱さや限界を体験したことが書かれています。
私が感銘を受けて忘れられないのは、その本の終わりに紹介されている詩です。イギリス、ヨークシャーのアシュルディー病院の老人病棟で働く看護婦さんからパットさんに送られた手紙の中身。それはその病棟で一人の老婦人が亡くなり、彼女の持ち物を調べた看護婦が見つけたという、ひとつの詩でした。

何が見えるの、看護婦さん、あなたには何が見えるの
あなたが私を見る時、こう思っているのでしょう
気むずかしいおばあさん、利口じゃないし、日常生活もおぼつかなく
目をうつろにさまよわせて
食べ物をぽろぽろこぼし、返事もしない
あなたが大声で「お願いだからやってみて」と言っても
あなたのしていることに気づかないようで
いつもいつも靴下や靴をなくしてばかりいる
おもしろいのかおもしろくないのか
あなたの言いなりになっている
長い一日を埋めるためにお風呂を使ったり食事をしたり
これがあなたが考えていること、あなたが見ていることではありませんか
でも目をあけてごらんなさい、看護婦さん、あなたは私を見てはいないのですよ
私が誰なのか教えてあげましょう、ここにじっと座っているこの私が
あなたの命ずるままに起き上がるこの私が
あなたの意志で食べているこの私が誰なのか

私は十歳の子供でした。父がいて、母がいて
兄弟、姉妹がいて、皆お互いに愛し合っていました
十六歳の少女は足に羽根をつけて
もうすぐ恋人に会えることを夢見ていました
二十歳でもう花嫁。私の心は躍っていました
守ると約束した誓いを胸にきざんで
二十五歳で私は子供を産みました
その子は私に安全で幸福な家庭を求めたの
三十歳、子供はみるみる大きくなる
永遠に続くはずのきずなで母子は互いに結ばれて
四十歳、息子達は成長し、行ってしまった
でも夫はそばにいて、私が悲しまないように見守ってくれました

五十歳、もう一度赤ん坊が膝の上で遊びました
私の愛する夫と私は再び子供に会ったのです
暗い日々が訪れました。夫が死んだのです
先のことを考え...不安で震えました
息子達は皆自分の子供を育てている最中でしたから
それで私は、過してきた年月と愛のことを考えました

今私はおばあさんになりました。自然の女神は残酷です
老人をまるでばかのように見せるのは、自然の女神の悪い冗談
体はぼろぼろ、優雅さも気力も失せ、
かって心があったところにはいまでは石ころがあるだけ
でもこの古ぼけた肉体の残骸にはまだ少女が住んでいて
何度も何度も私の使い古しの心をふくらます
私は喜びを思い出し、苦しみを思いだす
そして人生をもう一度愛して生き直す
年月はあまりにも短かすぎ、あまりにも速く過ぎてしまったと私は思うの
そして何物も永遠ではないという厳しい現実を受け入れるのです

だから目を開けてよ、看護婦さん... 目を開けて見てください
気むずかしいおばあさんではなく、「私」をもっとよく見て!
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# by mamakoba | 2010-12-03 20:10 | Comments(0)  

魚の味噌漬けと粕漬け

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左がブリの味噌漬、右が鮭とイナダの粕漬けです。
味噌漬はお味噌を味醂でのばして使います。辛くなるので漬けるのは一晩です。
粕漬けはお砂糖で甘さを調節して塩も入れて混ぜます。2.3日で漬かりますが、辛くならないのでそのまま入れておいても大丈夫。魚は塩を振ってしばらく置いてから、水気をよく拭いてからガーゼに包んで漬けます。特売で買った魚でも一味違って美味しく食べられますよ。私はちょっと出かけた観光地で柔らかい酒粕を見つけると嬉しくなって思わず買ってしまいます。
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# by mamakoba | 2010-12-03 19:52 | Comments(0)  

松井久子監督の映画3作目「レオニー」を観ました!

松井久子監督の3作目。世界的彫刻家イサム・ノグチを育てたアメリカ人女性レオニー・ギルモアの生涯を描いた映画。20世紀初頭のニューヨーク。日本から来た詩人、野口米次郎との運命的な出会いで身ごもったが、米次郎は日本に帰ってしまう。ひとり混血の子、イサムを産むがイサムは人種差別を受ける。数年後、日本にいる米次郎の誘いで、イサムを日本で育てる決心をして日本に渡るが、米次郎はすでに家庭を持っていた…。波乱な運命を潔く受け入れて、イサムの芸術的才能を見抜き、男尊の日本社会で自立してイサムを育て、力強く生き抜いたアメリカ人女性の生涯を明治後期の日米を舞台に描いた力作。映画が始まって、まず音楽の美しさに引き込まれます。音楽は映画「ネバーランド」でアカデミー作曲賞を受賞した、ヤン・A.P.カチュマレクの作品。50代になった米次郎の老け顔のメイクは特殊メイクアップ・アーティストの江川悦子さん作。当時の時代背景や桜吹雪の美しさなど、構想7年という女性監督ならではのこだわりと丁寧な創り方にも感動します。
原案 ドウス昌代著、「イサム・ノグチ-宿命の越境者」

ユキエ

松井久子監督の映画初監督作品。1997年製作。原作の『寂寥郊野』(吉目木晴彦著、講談社)は1993年の芥川賞受賞小説。新藤兼人脚本、96歳のジミー・デイビスがこの映画のために歌う「ユー・アー・マイ・サンシャイン」など豪華。主演は賠償美津子。
戦争花嫁として海を渡リ、苦難を乗り越えて、愛する夫と2人の息子との幸せを築いてきた40年以上の月日。そのユキエを襲ったアルツハイマー病という病。妻を愛し、精一杯の介護を試みる夫と、その症状を自覚し、残された正気の時間を大切に過ごそうとする妻の物語です。家族との人生の記憶が少しずつ、ゆっくりと失われてゆく...。「これはあなたたちへの“ゆっくりしたお別れ”だと思うのよ」と家族へ語りかける。
愛する人に「スロー・グッバイ」

折り梅

松井久子監督の2作目。2001年製作。小菅もと子著「忘れても、しあわせ」の映画化。
平和な4人家族の家庭に、ある日夫の母が同居することになる。まもなくその母を襲ったアルツハイマーという病。義母の変化に戸惑い苦しむ嫁の巴に原田美枝子。一方、痴呆症に見舞われ、自分を失っていくことへの恐怖から巴に苛立ちをぶつける義母・政子に吉行和子。二人の存在感がこの映画によりリアリティをもたらしてくれる。崩壊しかけた家族が、さまざまな葛藤を経て再生していく実話を描いた感動作を見事に映画化した作品です。
巴と枕を並べて眠る夜、政子が人生を語る場面で、幼い日、自分を捨てて出て行った母から聞かされたと言う「梅は枝を折って活けても、皮から養分を吸って咲き続けるから“折り梅”というんだよ」。と言う言葉が印象的です。

松井久子監督映画の3作品。ぜひ御覧ください!
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# by mamakoba | 2010-11-27 21:34 | Comments(0)  

サフランとパエリャ

サフランはあやめ科で日本ではクロッカス属の春咲き種をクロッカス、秋咲き種をサフランと呼んでいるそうです。植え替えをしたので今年はダメかな...と思っていたら、綺麗な花が咲きました。花の少なくなった秋に咲いてくれるので嬉しいです。私はこのサフランの赤い雌しべを大事に大事に集めるのです。サフランの雌しべは世界一高価なスパイスと言われています。何しろ1つの花からスパイスとしてのサフランは3本採れるだけなのです。その1本1本をていねいに手で摘み取るわけですから高価なのも無理ないかな...と思いますが。スペイン料理のパエリャの黄色の色はこのサフランで出すんですね。いまでは代用品も使われているそうですが。ウォーキングに行く途中の道端にこのサフランが咲いていたのですが、農家の敷地内なので横目で見ていました。しばらくするとその花はみすぼらしく萎んでいました。とてももったいない!

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我が家に咲いたサフランの雌しべを集めたものです

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パエリャを作りました

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# by mamakoba | 2010-11-26 17:58 | Comments(0)  

森の中の紅葉

森の公園の歩道は木のチップが敷き詰められています。足に優しく、心地良くて疲れないんです。今は木々が紅葉しています

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散歩帰りの夕暮れ時は綺麗な空でした。

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# by mamakoba | 2010-11-21 18:51 | Comments(0)  

燻製ベーコンを作ります

豚のばら肉で燻製を作ります。
作り方はまず調味液を作って肉を数日漬けておきます。調味液は水に塩、砂糖、胡椒、コリアンダー、ナツメッグなどのスパイス。ベイリーフなどのハーブにワインも入れて溶かします。漬け込んで数日経ったら、肉の汁をよく拭きとってからつるします

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今回燻製のチップはヒッコリーを使いましたが、桜のチップもまた良い香りです。初めは中華鍋にボールをかぶせて作っていましたが、娘が燻製器を買って来てくれたので、一度にたくさん出来てとても便利になりました。前に台所でやったら部屋の中に燻製の匂いがいつまでも消えなくて大変でした。今は庭に出して作っています。

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出来上がりです。燻製ベーコンの味は市販のベーコンと大違い!

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# by mamakoba | 2010-11-19 18:11 | Comments(0)  

自家製味噌です

今年もお味噌を開ける時がきました。1年間ねかせて開ける時はどんなかしら?と楽しみです。

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大根の味噌漬も作ります。これは細かく刻んでご飯に混ぜ、お結びにすることがあります。
先日テレビで卵かけご飯のことをやっていました。冷蔵庫の卵を1分程熱湯に浸けておいてから割り入れると、冷たい卵より数倍美味しいということ。食べたくなって真似しました。その時この刻んだ大根の味噌漬をお醤油代わりに入れたらとっても美味しかったですよ!

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# by mamakoba | 2010-11-19 17:58 | Comments(0)  

食用菊

食用の菊は花びらがいっぱい。苦味も少ないのでちょっと酢を入れてさっと茹で、ぎゅっと絞って和え物にすればシャキシャキとして美味。彩りも綺麗です。他にもってのほかと言う名の紫色品種が有名ですね。


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# by mamakoba | 2010-11-19 17:52 | Comments(0)  

友人の作品です!

美智子さん製作のカリグラフィーのカレンダーです。お誕生日もクリスマスも年賀状も素敵なカリグラフィーの手書きのカードが届きます。

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昌子さんはお母さんの介護で忙しいのに、合い間にこんな可愛い鉤針編みの作品を作ってプレゼントしてくれます。我が家の仲間が増えました。 

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安伎さんが編んでくれたのはリボン素材のフワフワとしたとてもお洒落なストール!

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# by mamakoba | 2010-11-12 11:23 | Comments(0)  

手編みの手袋

カリグラフィーや英会話の勉強、ジムや美術館通いと好奇心旺盛な友人が自転車で走り回る時に、暖かくて毛糸の手袋が一番なの!と私の編む手袋をとても喜んでくれるので、今年もまた編んでます。

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編物をすると余り毛糸が出るので、もったいないと思って編み始めた手袋ですが、編み込みの足りない色を買い足していくのでいつまで経っても毛糸が減らないのです。これでは当分編み続けることに...でも出来上がると楽しいので暇な夜にはいつも手が動いてしまいます。
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# by mamakoba | 2010-11-12 11:11 | Comments(0)